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【Netflix】ある占い師の一生を描いたドラマを見始めた。

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10日ほど前から、Netflixで配信が始まったドラマを見ている。

知人からは、

「第1話はそれほど面白くないよ」

と聞いていたので、こちらもそれほど期待せずに見始めた。

ところが、2話目あたりから少しずつ印象が変わってきた。

主人公の占い師が、世の中に出ていく。自分の力で少しずつ居場所をつかんでいく。

その姿を見ているうちに、なぜか応援したくなっている自分がいた。

リアルタイムで知っていたはずの人

私は、この占い師がリアルタイムでテレビに出ていた時代を知っている。

ただ、当時から良い印象を持っていたわけではなく、かなり胡散臭いと感じていた。テレビに出ていても、積極的に見ようとは思わなかった。

京都の嵐山で、この人の家の大きさを見て驚いた。記憶が間違っていなければ、清滝のトンネルに向かう道沿いだったはず。 「ああ、やっぱりすごい世界だな」と思った記憶はある。

けれど、それ以上に強い興味を持つことはなかった。

だから、今回ドラマを見ながら、その占い師を応援している自分に少し戸惑った。

あれ。
私はこの人のことを、そんなふうに見ていたっけ。応援してもいい人だっけ?

そんな感覚だった。

応援したくなった理由

応援したくなった理由のひとつは、戸田恵梨香さんが主演していることだと思う。

好きな俳優が演じていると、どうしてもその人物に感情移入してしまう。
これは仕方がない。

ただ、それだけではなかった。

ドラマ(2話まで)の中で描かれていたのは、若い女性がスモールビジネスを少しずつ成功させていく姿だった。

小さな商売を軌道に乗せる。
それを売却する。
そして、銀座に店を出すところまでたどり着く。

その過程が、私にはとても面白く見えた。

大学に潜り込んで勉強する。
新聞をスクラップする。
知識と教養を身につけ、よりアッパークラスの経営者たちに認められるラウンジのママを目指す。

ただ派手に振る舞っているだけではない。
人知れず努力して、自分の立ち位置を少しずつ上げていく。

その様子が描かれていた。

若い女性が、与えられた環境の中で必死に考え、学び、商売を形にして、階段を上がっていく。

それは、やはり応援したくなる。

「頑張れ」と思ってしまう。
「この先、どこまで行くのだろう」と見たくなってしまう。

スモールビジネスを立ち上げ、少しずつ育てていくことの難しさを考えると、なおさらだった。

先に本を読んでみることにした

若い頃に感じた印象に素直になることにした。

ドラマを見進める前に、この占い師について書かれた本を読んでみることにした。

真っ先に出てきたのが、溝口敦氏の本だった。

溝口敦氏の本は、以前にも読んだことがある。

それが、食肉関係の表では語られにくい人脈を描いた『食肉の帝王』である。20年ほど前の自民党の元大阪府知事との関係を読んだときの衝撃は今でも忘れられない。

あの本を読んだときも、なかなかディープな世界だと思った。
表に見えているものと、その裏側にあるものの距離が大きい。

今回も、同じような感覚があった。

ドラマを見ていると、どうしても主人公の視点に引き込まれる。
しかし、本を読むと、もう少し違う角度からその人物を見ることになる。

そこで、私の中にあった「何か少し違う」という違和感は、やはり無視しない方がいいのかもしれないと思った。

ドラマだけでは見えにくい人物像

溝口敦氏の書籍を読むと、ドラマだけでは見えにくい別の人物像が立ち上がってくる。

ドラマでは、実家がおでん屋として描かれていた。
しかし、書籍では、より生々しい背景が記述されている。

この違いは大きい。

もちろん、ドラマにはドラマとしての構成がある。
実在の人物をモデルにしていても、すべてをそのまま描くわけではない。

ただ、背景が変わると、人物の見え方も変わる。

さらに、書籍では、彼女がただ努力だけでのし上がっていったわけではなく、その背景には、表の努力だけでは見えにくい人脈や力関係があったことも描かれている。

努力した若い女性の成功物語。

ドラマ(2話まで)だけを見ていれば、そう受け取ることができる。
しかし、本を読むと、その成功の裏側には、もっと複雑で、暗い構造があったのではないかと思えてくる。

ここで、自分の中の見方が変わった。

私は、努力して成り上がる物語に惹かれていた。
しかし、その成り上がりの土台に何があったのかを考えると、手放しで応援することはできなくなる。

応援する気持ちだけでは見られなくなった

ドラマは、おそらく最後まで見ると思う。

ただ、最初のように、

「のし上がっていく主人公を応援する」

という気持ちだけでは、もう見られなくなった。

そこには、被害に遭われた方の問題がある。
その視点を抜きにして、単純な成功物語として楽しむのは、少し危うい。

もちろん、ドラマはドラマである。
史実そのものではないし、演出もある。

それでも、実在した人物をモデルにしている以上、こちらの見方も少し慎重になる。

物語としては面白い。
演技にも引き込まれる。
スモールビジネスの成功譚としても見応えがある。

でも、それだけでは済まない。

この違和感を抱えたまま見ることになりそうだ。

違和感を抱えたまま見る

ドラマを見るとき、私はつい主人公を応援してしまう。

苦しい状況から這い上がる人を見ると、どうしても気持ちが乗ってしまう。

それは物語を見る楽しさでもあるけれど、今回に関しては、その感情だけで進んでしまうのは少し違う気がしている。

応援したくなる。
でも、応援しきれない。

面白い。
でも、素直には楽しめない。

努力して成り上がる物語として見ると、心が動く。
しかし、その裏側にある構造を知ると、単純には見られなくなる。

その中途半端な感覚こそが、今回このドラマを見ていて一番印象に残っていることなのかもしれない。

追記

お客さんにこのドラマの話しをしてみた。

「あの占い師を応援している自分がいるんですよ、ちょっとやばいでしょ?」

「大丈夫、話が進むにつれて、帳尻が合ってくるから、安心して見続けていいよ🙆🏻」

溝口敦氏に入れ知恵もしてもらったことなので、そろそろドラマに復帰します。