10月15日に逝去が発表されたアリスのメンバー谷村新司氏。若い頃カラオケでは大変お世話になりました。またMBSラジオ「ヤングタウン」では、大人の世界(下ネタ)で楽しませていただきました。本当にありがとうございました。
この数日、個人に思いをはせながら「チャンピオン」や「昴」を聞いた人はたくさんいた事でしょう。私は今まで聴いたことのなかったアリスの初期アルバムを聴いて、故人を偲びました。
カラオケランキング:チャンピオン
誰得情報ではございますが、私がカラオケでよく歌ったアリス/谷村新司の曲ランキングを書いておきます。
- チャンピオン:1978年(アリスVII)
- 今はもう誰も:1975年(アリスV)
- 狂った果実:1989年(アリスVIII)
- 昴:
- 冬の稲妻:1977年(アリスVI)
チャンピオン曲中の「your king of kings」や、冬の稲妻の「you're rolling thunder (Ah)」で、いい声を出すのが難しかったのも今となってはよい思い出です。
チャンピオンは、気持ち高ぶる系の音楽ではありますが、決して試合前に聴く曲ではありません。新興勢力に力負けして敗北するストーリーで、トレーナー目線で元チャンピオンの栄誉をたたえる歌です。間違った文脈でBGMとして使用される場合があり、閉口しています。
私はチャンピオンでも何でもなかったのですが、その世界観を借用してケガして部活を辞めた頃によく聞いていましたが、今聞いてもそのときの光景がフラッシュバックします。
アリスの初期アルバムは、かぐや姫寄りだった
今回、アリスの振りアルバムを聴いてみました。思い立ったらすぐ聴ける、音楽サブスクのよいところです。アリスのアルバムタイトルは、ローマ数字のナンバリングのみです。昨日は運転中に「アリスI」~「アリスIII」まで聴きました。私の聞いてこなかった時代のアリスでした。
「アリス I 」(1972年)は、たとえて言うなら,脱サラしたペンションのおじさんが夕食後におもむろにギターを弾き始めたような音楽でした。
「アリス III 」(1973年)は、かぐや姫の「神田川」テイストが強めでした。懐かしいメロディでした。
1970年代前半の社会の雰囲気なのでしょうか、美しいメロディー、透明感のあるボーカル。さみしさをどこか他人事のように語る歌詞は、村上春樹の初期作品とも共通項がありそうな。
アリスにも下積み時代があった
Wikipediaによると、オリコンやベストテンなどのチャードで1位になったのは「チャンピオン」(1978年)1曲のみ。
プロデビュー時はヒット曲に恵まれず、メンバー3人とマネージャーの合計4人で運搬できる楽器として、矢沢は本来ドラマーなのに手荷物として持ち運びが可能なコンガを持って、谷村、堀内のフォークギター日本とともにツアーライブに明け暮れる毎日だった。
大スターのイメージが合ったアリスでしたが、実はそうではなかったんですね。市民会館ライブなどの下積み時代もあり、大ヒットナンバーはフォークからロック寄りに転換していたり。
おじさんのお通夜で、ほかの親戚から若い頃のおじさんの苦労話を聞いているような気持ちになりました。「あいつも若いときは苦労しとってんで、寝んと全国ドサ回りしとったわ」。
そんな感じで昔のアルバムを聴きました。
ご冥福をお祈り申し上げます。