戦争と怪獣来襲という悲劇的なアクシデントをストリーにしたヒューマンドラマ。一言でまとめるとこんな感じでしょうか
先の戦争であらゆるものが破壊されて「0」になった日本。復興のさなかにゴジラ来襲でさらに破壊されてマイナスに。タイトルの「-1.0」にはそういう意味があるそうです。
これまではゴジラとは縁遠い生活を送ってきたので、私の最初のゴジラはAmazon Prime Videoのシン・ゴジラでした。着ぐるみ時代を知らないゴジラ初心者ですが、今回初めて劇場鑑賞してきました。大画面・大音量で迫り来るゴジラの迫力が凄かったです。
シン・ゴジラは主に首相官邸や対策本部で話が進んでいました。ゴジラが発見されたときの有識者会議、ヤシオリ作戦を決定したのも対策本部のように、ことあるごとに政治家や官僚の働きが映し出されていました。
対して今回のゴジラ-1.0は神木隆之介演じる敷島の成長を追いかけたストーリー。
- 特攻兵だった敷島は実際は存在しなかった機体トラブルで編隊から離脱し、整備基地に着陸。整備兵から卑怯者とされる。
- その夜島にゴジラ襲撃した時には恐怖で行動できず、仲間がゴジラに襲われるも機銃掃射の引き金を引けずに、1人を残して全ての整備兵が犠牲になったなか、生き残った
- 敗戦後、復員兵に世間が冷たく当たられるなど、極限まで貶められた状態
- これらの出来事が彼の深い心の傷となり、物語を通じて彼の苦悩と成長が描かれ、最後に大仕事を成し遂げるストーリー。
無理のある設定もありましたが、それを言い出したらゴジラの存在自体が無理ですから、そのあたりは楽しみました。
周りの役者さんたちもいい感じでした。安藤サクラの演技が素晴らしい。最初のいけずなところから、最後は頼りがいのある親代わりに。面倒見のよいおばさんを演じさせたら一番うまい役者さんかもしれません。
私の中ではクールなイメージの佐々木蔵之介が、敷島と同じく復員兵で仕事の先輩役でした。あかるくまっすぐな性格の佐々木蔵之介に対し、敷島の内向的な性格の対比を際立たせました。
最後まで楽しめました。
老化による涙腺の過剰反応が止まらない私ですが、本作でも4筋ほど涙がしたたる良作でした。
本記事執筆後、YouTubeでレビュー動画を見終えた時に考えたことを記事にまとめました。