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フリーランスの備忘録、アウトプットの実験場

革製のカップホルダーを自作する

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コーヒーの紙カップに嵌め込むタイプのカップホルダーを自作しました。

冬場はカイロの役割を果たす暖かいホットコーヒーですが、夏に近づくにつれて素手で持つのはつらいほど熱くなります。コーヒーの香りを存分に楽しみたいので、夏でもホットコ を飲むことが多いです。

香りを楽しみたい。でも熱い。

そんな私の葛藤を解決するのがカップホルダーです。家に余っている革を消費するために自作しました。道具は必要ですが、精度を求めず自分で使うものなら、簡単にできます。

レザークラフトと私

コロナと同時に始めた靴作り。靴は形状が特殊だから端材がたくさん出ます。端材がもったい無いから自然と革小物も作るようになりました。革包丁のケースから始まり、キーホルダーやコースター、Kindleカバーやキーボードのパームレストなど。

ある程度経つと、簡単なものは作り終えてしまいます。あとは構造が複雑なものになったり、材料をわざわざ買わなくてはいけなかったり、さらに道具が必要になったりするので、レザークラフトや靴作りからだんだん足が遠のいていました。

半年ぶりくらいのレザークラフトです。しまった道具の発掘作業から始まりです。

作業工程

一部写真を撮り忘れたところもありますが、記録を残しておきます。

使用した革

  • パキスタンレザー(ワインレッド)
  • タンニンなめし(オイル仕上げ)

購入時説明にオイル仕上げと書いてましたが、クロムエクセル等と比較するとカサカサな革でした。強度はありますが、色落ちが激しいので、下記のサンダルを作った後使い道が無くて、試作用に残している革です。

型紙を作ります

紙コップに巻きつけた紙の上で大まかなデザインを書き、型紙を作っていきます。

デザインが決まっているわけではなく、紙を巻き付けながら、手を動かしながら、機能的に問題ないものを考えます。

今回は紙で4回デザインを考えました。手間のかかる縫いは無しで、接着とリベット止めでできるデザインに決定しました。

型紙を切るときはカッターマットとカッターを使用します。カッターマットの大きさは、少なくともA2以上の方がよいと思います。大は小を兼ねます。

型紙の選び方

型紙は色画用紙を使っていますが、最初のラフな型紙はコピー用紙などの方が薄くて取り回しがしやすいです。

年末に取引先から頂くカレンダー用紙は、厚みが程よく裏面が白くて残しておいて損はないです。

量産するなら、ケント紙レベルの厚みのある紙を使います。

型紙から革を裁断

革は表皮側の吟面

薄い革ならカッターで切ります。今回は1.5mmほどの革なので厚めです。厚い革を曲線でカットする際、カッターだと刃が斜めにはいり、切断面が傾くので、見栄えも悪く最終的に貼り合わせがうまくいきません。

今回は革包丁を使いました。革包丁を使うと上から力が入り、上手な人だと切断面が綺麗(垂直)になります。

革包丁を使用するときはビニールマットを下敷きにします。通常のカッターマットに革包丁を使うと、カッターマットが傷だらけになります。

接着します

ゴムのりを塗る部分をケガいてマスキングします

端の方まで接着剤を塗りたいので、塗らないところにはマスキングテープ、ダンボールを下敷きにて塗りたくります。

ゴムのり系は接着する両面に塗って貼り合わせます。

革用ボンドは100均で売っているG17が有名ですが、あのボントは玄人用です。接着力が強くて乾燥が早いため、貼り直しができません。素人にはゴムのりが貼り直せるので安心です。

塗った後は溶剤を揮発するために十分乾燥させること、そして接着前にはのり成分を温めて柔らかくすると接着効果が高まるそうです。ドライヤーやヒートガンを使います。

ゴムのりを塗ったら接着して圧着

金づち🔨で接着面を叩いて圧着します。この革はタンニンなめしのオイル仕上げレザーなので、傷がつきにくい革です。

今回は強い革なので当て材を使わず直接叩きましたが、通常はゴム板や板の上から叩いたほうが、金づちの打痕が残らず出来上がりは綺麗になります。

まだ、持っていませんがローラーを使うのが1番良さそうです。

リベット(カシメ)で補強する

接着部分は使っていくうちに剥がれてきますから補強が必要です。糸で縫う方が強度は高くなりますが、革用ミシンがないので目打ちして(穴を開けて)縫うとかなり手間と時間がかかります。

剥がれそうな接着部分の上下にリベットを打って補強します。

下記はAmazonで購入したリベットのセットです。リベットの足の長さが6/8/12mmと3種類あるので革の端材で試し打ちします。8mmがちょうど良さそうでした。厚みが合わない場合は、薄い床革を足したり、そいで薄くする(スキ作業)を行い調整します。

穴あけポンチで、リベットの足が通る穴を開けます。穴あけポンチ用の下敷きを使いましょう。

リベットのセットに入っているポンチは研ぎが甘くバカなものが多いので、別途買う方がよいです。

リベットのオス側を専用工具の上に置きます。

穴を開けた革にリベットの足を通して、その上にメス側を置きます。

棒状の工具で叩き、リベットの足を潰せばリベット留めが完成です。

このリベット打ち工具の難点は、受け側が平らなので強く打ちすぎるとリベットの頭が潰れてしまいます。このカップホルダーは自分使いである事、デザインの確認用であるために、このまま使います。

完成

機能的には十分です。 円錐形状の先を落としたコップの型紙をきっちり作るろうとするとCADの出番になりそうです。いつかはチャレンジしてみたいですが、今回はここまで。

使用した道具

  • カッターマット(PVC:型紙用、ビニール:革裁断用)
  • カッター(型紙用)
  • 革包丁(革裁断用)
  • 厚紙(型紙用)
  • ゴムのり
  • ポンチ(穴あけ用)
  • ポンチ用下敷き(https://amzn.to/4bvlLju
  • カナヅチ🔨
  • リベットと専用工具
  • ドライヤー(ゴムのりの乾燥と熱活性化)

まとめ

夏場のホットコーヒーの紙コップ対策に、余った革でカップを作成しました。

紙コップの型紙は難しいことがよくわかりました。紙コップの展開図は、半径の異なる円がカーブがキモです。次作るときは、計算して作ろうと思います。

次回作ることがあれば、CADを使って展開してみようと思います。