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オッペンハイマー:映画の前に押さえておきたい予備知識と感想

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3月末に公開された映画、オッペンハイマーを見てきました。

アメリカの原爆開発チームのリーダー、ロバート・オッペンハイマー(1904-1967)は、原爆開発を推進するも水爆開発には反対したことや、周囲に元共産党員が多かったことから、ソ連スパイ疑惑が持たれて、公職から解かれた経歴がありました。

本映画は、カイ・バードらによって出版された書籍を元に、インセプションの監督、クリストファー・ノーランが映画化したものです。

物理学と原子爆弾の開発がストーリーに織り込まれるため、文系の私にはかなり難解でした。同時に2つの時間軸でドラマが進行する中、そこに過去を振り返るため、3つの時間軸を行ったり来たりする初見泣かせの映画でした。

普段は予備知識を入れずに映画を見に行く私ですが、この映画に関しては少し後悔しました。見に行かれる方は、マンハッタン計画の進捗と第二次世界大戦の成り行きをリンクさせてからみると、見える世界が変わると思います。

本映画について、振り返ることが出来るようにまとめておきます。

オッペンハイマーを見る前に押さえておきたい2つの項目

2つの時間軸

  1. 1954年の聴聞会(オッペンハイマー事件)
  2. 1959年、ストローズ(元米原子力委員長)の商務長官就任を決定する公聴会

kotobank.jp

映画情報

項目 内容
タイトル オッペンハイマー
公開日 2024年3月
監督 クリストファー・ノーラン
主演 キリアン・マーフィー(J・ロバート・オッペンハイマー役)
あらすじ 第二次世界大戦下、アメリカで立ち上げられた極秘プロジェクト「マンハッタン計画」に参加したJ・ロバート・オッペンハイマーは優秀な科学者たちを率いて世界で初となる原子爆弾の開発に成功する。しかし原爆が実戦で投下されると、その惨状を聞いたオッペンハイマーは深く苦悩するようになる
受賞 第96回アカデミー賞で作品賞・監督賞(クリストファー・ノーラン)・主演男優賞(キリアン・マーフィー)・助演男優賞ロバート・ダウニー・Jr.)など7部門を受賞

原作

補足情報

オッペンハイマーの年表

イベント
1904 ロバート・オッペンハイマーの誕生。
1922 ハーバード大学に入学。
1925 ケンブリッジ大学でエルネスト・ラザフォードの下で研究を始める。
1926 ゲッティンゲン大学量子力学を学び、博士号を取得。
1927 カリフォルニア工科大学Caltech)で教え始める。
1929 プリンストン高等研究所の教授に就任。
1930年代 量子電動力学(QED)に関する研究で貢献。特に、電子と陽電子の相互作用や粒子の自己エネルギーに関する理論的研究を行う。
1942 マンハッタン計画の科学的指導者に任命される。
1945 世界初の原子爆弾の実験(トリニティ実験)を監督。
1947 アメリ原子力委員会の顧問に就任。
1954 政府からの安全保障上の理由でセキュリティクリアランスを取り消される。
1963 エンリコ・フェルミ賞を受賞。
1967 プリンストン高等研究所での教授職から退任。
1967 死去。

事前に調べておいた方がよいキーワード

1980年代のドキュメンタリー映画 「トリニティ計画、その後」

www.youtube.com

余談

投稿日の4月22日はオッペンハイマーの誕生日です。