※本記事の執筆にあたり、Xmind社からプラスユーザーライセンスを期間限定でいただきました。
マインドマップはXmindを使っています。大変つかいやすいマインドマップソフトで、一つのライセンスで、PC、iPhone、iPadで使えるのが便利です、
そんなXmindにもAIが搭載されたバージョンがあります。2023年6月にXmind Copilotというサービスを試しました。マインドマップが自動的に作成される様は未来を感じるものでした。また、前バージョンの「ゴーストライター機能」は、AIによる文章作成を行うもので、ブログ作成の省力化を期待させるものでした。
今回Xmind Copilotからシンプルに名前を変えたXmind AIを使ってみました。一言で言うとWebベースのXmind AIとなってマルチユーザー対応のブレインストーミングツールにチューンアップされていました。
詳しくみていきます。
Xmind AIとは
公式ページはこちらです。
2週間ほど使ってみました。私なりにまとめた概要は以下の通りです。
- 使いやすいマインドマッピングソフトの機能の多くが引き継がれて、Webベース版になったもの
- 6月のものよりも、さらにマインドマッピング用にチューンされたAIを搭載し、トピックやタスク生成に特化した様子
- ゴーストライター機能(文章生成機能)は削除
- マルチユーザー編集機能搭載、AIアイデア+チームのアイデアで、ブレインストーミングの決定版となるか?
- 無料版でもAIを試すことは可能。ただAIを使いこなすには、クレジットが必要で、デスクトップ版とは別のサブスクリプションが必要
- Markdown ファイルに書き出しは出来るが、読み込みは出来ない。デスクトップ版にあるアウトラインモードもなし
- Xmindファイル形式は読み書きとも可能
従来のデスクトップアプリからWebアプリに移行し、いろいろ出来るマインドマップAIから、ブレインストーミングに特化したものになった印象です。
Xmind AIを活用したマインドマップ作成とブレーンストーミング
Xmind AIのマインドマップ作成を使ってアイデアをブレーンストーミングで活性化できる事に可能性を感じました。その部分をテーマに記事を進めていきます。
マインドマップの中心テーマからXmind AIが自動でマップ作成
Grow ideas with AI:AIでアイデアを育てるがXmind AI のコンセプトです。使い方は驚くほどシンプルでした、トピックを選択してCopilotボタンを押すだけです。
このシンプルさは、最初は対話型AIに慣れたものには少し不安を感じさせる仕様だと感じました。例えば、ChatGPTでは長めのプロンプトを用いて、ことこまかな仕様を提示して要求に沿ったものを生成させます。
対してXmind AIの中心トピックは長文には不向きなデザインです。あまりにも小さいです。ただ、ChatGPTなどを使い慣れている皆さんなら、中心トピックにもっと長いプロンプトを書きたくなる方も多いかもしれません。
しかし、Xmind AIを2週間使い続けるとそれは間違いだと気がつきました。一般的な生成AIとは反対のアプローチを取っていたのです。集約するのではなくて展開させるツールだったのです。テーマの言葉に沿っていろんなアイデアを展開させる、まさにブレーンストーミングです。
AIが高速ブレインストーミングを行う仕様、それがXmind AIの強みだと感じました。
Xmind AIの高速ブレインストーミング(動画付き)
実際に中心トピックのみの状態からAIがマインドマップを作成した動画です。「マインドマップによって概念を構造化する」という中心トピックを選択して、1からAIにマップを作成してもらいました。
出来上がったマップの特徴
- 中心トピックにたいして
- 4つのメイントピック(4個)
- 3つずつのサブトピック(12個)
- さらに3つずつサブトピック(36個)
- 4+12+36= 合計 52個のアイデア
- 50秒以内に作成
動画のマップに、イメージを加えたものがこちらになります。Xmind AIの新機能、Web埋め込み機能を使っています
ここまでが、1から作るマインドマップのやり方でした。空白のマップの中心のテーマを入力し、Copilot
をクリックすると、マインドマップが簡単に作成されました。
Xmind AIはアイデアジェネレーター。作成済みのマップもブレークスルーしてくれる
作成されたトピックや、または自分で作成したマップのトピック・サブトピックを選択してCopilot
をクリックすると、新たに複数のアイデアが生成されます。
下記が実例になります。「高校ラグビー」>「決勝戦」というミニマムなマップから、アイデア出しをしてもらいました。
- 中心トピック:高校ラグビー
- メイントピック
- 作成されたサブトピック(7つ)
- メイントピック
メイントピックからCopilot
ボタンを押すと7つアイデアを出してくれました。
考えが行き詰まったときや、煮詰まった企画をもうひと押ししたいときがあります。もうちょっとアイデアが欲しいときには、Copilot
ボタンを押すとさらに複数個提案してくれます。
このように、Xmind AIは作成済みのマップに対しても、ブレインストーミング時のアイデアジェネレーターとして役立つものでした。
Xmind AIのブレインストーミング:吟味して、つなげてまとめる、時には捨てる
Xmind AIの使い方は、AIに仕上げさせるのではなく幅広い発想させることです。開発者の話しを聞いていないので「知らんけど」。
またXmindのようなデジタルなマインドマップは、紙のマップでは出来ない並べ替えや削除が得意です。大胆に並べ替えたり、プロジェクトにそぐわないトピックは消したり、編集をためらわずにできます。
Xmind AIには履歴機能があるので、どんどんアイデアを作って、どんどん消しても安心
また、削除をためらわないですむ理由の一つが、バージョン履歴を保存する機能がある事です。過去のバージョンのマインドマップを復元することができます。Plusユーザーだと7日間遡って戻れます。
Xmind AIのPlusユーザーは相当量のAIを使える
また、AIによるトピック作成は500クレジットの制限があります。追加購入も可能です。現在まで10個ほどマップを作り、サブトピックの拡張に50回程度はCopilot
ボタンを押しましたが、500クレジット中142クレジットの消費にとどまっています。
Plusユーザーはあたり$7.99になります。
AIのクレジットが足らなくなったら追加購入も可能です。500クレジットの追加は3.99ドルになります。577円(2024/01/07現在)です。
作成したAIマップたち
まとめ
私のようなお一人様仕事をしていると、考えが行き詰まることや、低次元でアイデアが煮詰まることが多くあります。
このようにブログで書き出す事で客観視もできますが、AIの持つ膨大な集合に助けてもらうこともありだと思います。
今回は検証できませんでしたが、Xmind AIには複数人のチームのアイデアを同時にまとめる機能もいつかは試してみたいと思います。
最後にこのような執筆の機会を与えてくれたXmindのチームに感謝いたします。