今年9月にラグビーワールドカップがフランスで行われます。
ワールドカップの日本代表の初戦は9月10日、対戦相手はチリ代表です。その試合までにメンバーの最終選考と大会前調整の試合が、昨日から8月末までの間に6試合が組まれています。
昨日はその第1戦のJAPAN XV 対 ニュージーランドオールブラックスXVの試合が行われました。「XV(フィフティーン)」とは、フル代表ではない選抜チーム同士の戦いということです。
ラグビーに詳しい友人の話では、今回のメンバーは日本は1.5軍、ニュージーランドは2軍のメンツとのこと。両チームにとって大会前のメンバー選考ためにメリットがあるのでしょう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/63cfed97ec4dad17a4ee2a2ea7a9a7ff642e7d4d
試合に先駆けて選手へのインタビュー動画が上がっていました。インタビューのトップは稲垣選手です。皆さんは覚えていますか?笑わない男と言われたラグビー選手を。
【ラグビー日本代表合宿】稲垣啓太が明かす超ハード練習とペナルティー - YouTube
練習中に仁王立ち姿勢になるとペナルティがある
ラグビー日本代表稲垣選手のインタビュー動画で印象に残ったのは、練習中に腰に手を当てる姿勢(仁王立ち姿勢)をとらないということ。正確には仁王立ち姿勢をとるとペナルティがあるから。その姿勢は「僕は今息上がってます!疲れてますよ~!」と言っているのと同じことだから、コーチから厳しくしつけられるそうです。
息が上がると肩で呼吸する
全力疾走した後「肩で息をする」経験をなさった経験は、みなさんあると思います。動脈の血中の二酸化炭素分圧(濃度)が上がりpHが低下すると、呼吸中枢から呼吸筋に呼吸運動をうながす信号がおこります。
激しい運動であればあるほど血中pHは低下し、より激しい呼吸運動を引き起こします。横隔膜呼吸だけで追いつかなければ、最大限の胸式呼吸を行うしかありません。普段はあまり使わない第1~第3肋骨までも広げるために、肩で呼吸する状態になるのです。
ちなみに、たばこを吸いすぎたりして起こる肺気腫の方は日常生活でも肩で息をします。肺胞による酸素と二酸化炭素の交換ができないから、常日ごろより二酸化炭素分圧が高くて血液pHが低いので、いつも深呼吸している状態になります。肩が上がり気味になり、首の筋肉(斜角筋)がすごく硬くなります。
呼吸を楽にするメカニズム
腰に手をあてる姿勢は、なぜ呼吸を楽にするのでしょうか。
- 腕の重みを腰に逃がして
- 首から肩甲骨周りの筋肉の緊張が落ちれば
- 肋骨がよく動いて息がしくなる
動画の中でも述べられていますが、膝に手を置いて上体をかがめる姿勢が楽になります。肩や背中の上半身の力が抜けて肋骨が動かしやすくなるからです。
このように、早く普通の状態に体内環境正常範囲内に戻すため(恒常性を保つため)に呼吸を楽にする姿勢を自然ととるのです。
自然界では弱いものから狙われる
チーターも足の遅い動物を狙います。ラグビーでもコンタクトプレーでは小さくて軽い選手の方が有利ですし、大柄の選手に対峙した快足ウイングはスピードを使って振り切ります。
フレッシュでリアクションタイムが遅くなってない場合は止めることが出来ても、へばってきて素早く一歩が出なくなってきたら、相手の突進に差し込まれてずるずるとディフェンスラインが下がり続けて防戦一方になります。
仁王立ちになる、または膝に手をつく姿勢は、おもにプレーが切れたときにやりがちです。生理現象なので仕方がないのかもしれませんが、それは一般人の感覚。
スポーツの世界では、上手さだけ・強さでは勝てません。一つ一つのプレーで競り勝てる気持ち、というかずるさが必要です。
疲れている選手を突くのは、戦術的には当たり前のことなので、そういった弱みを見せないというのは非常に大事なことですよね(稲垣選手談)
世界にチャレンジする立場の選手たちにとっては、相手に隙を見せない、気を抜かない意識を日々持つことよって、前回のワールドカップで日本を沸かすことが出来たのでしょう。
最後に:多くのにわかファンを募集しております
今大会でも、多くの「にわか」ファンの皆様の盛り上がりをお待ちしております。7月15日のオールブラックスXVの試合はBSで放送があるそうです。本大会を楽しめるよう、事前の情報収集をお忘れなく!
昨日(7月8日)の試合のハイライトはこちらから youtu.be
ラグビー日本代表の試合スケジュール(ワールドカップ前)
日付 | 対戦相手 | スタジアム |
---|---|---|
7月8日 | JAPAN XV - オールブラックスXV | 秩父宮ラグビー場(東京) |
7月15日 | 日本代表 - オールブラックスXV | えがお健康スタジアム(熊本) |
7月22日 | 日本代表 - サモア代表 | 札幌ドーム(北海道) |
7月29日 | 日本代表 - トンガ代表 | 花園ラグビー場(大阪) |
8月5日 | 日本代表 - フィジー代表 | 秩父宮ラグビー場(東京) |
8月26日 | 日本代表 - イタリア代表 | 未定(イタリア) |