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港区の桜の名所が今年で見納め、大阪市港区の桜通り

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大阪市港区の磯路に50年間見事に咲き誇ったソメイヨシノのアーケードが楽しめる街道があります。その名も「磯路三丁目桜通り」です。そもそもこの桜通りは北隣の町、弁天三丁目から始まったそうで、南側の磯路三丁目を巻き込んで800mにわたって桜並木が続いていたそうです。

伐採される前の2023年に撮影。南側の磯路三丁目の桜通り

地域住民の出資によって植えられた樹齢50年のソメイヨシノの満開の様は見事としか言いようのない景観ですが、残念ながら今年で伐採されるという噂を聞きました。

昨日見納めに行ってきました。なぜ桜の木が伐採されることになったのかを大阪市役所ホームページに説明がありましたので、記録しておきます。

港区桜通りはどこにあった?

大阪市港区の観光スポットの一つに挙げられている磯路三丁目の桜通ですが、大阪市のホームページに桜通が作られたいきさつが詳しく載っています。

www.city.osaka.lg.jp

昭和40年前後にソメイヨシノサトザクラが地域住民によって植えられ、以後、地域住民によって管理されています。地域の理解と協力により育てる景観として貴重な地域の景観資源であり、大阪市の都市景観資源にも登録されています。

大阪市ホームページより

現在は、上の地図の真ん中を斜めに走る紫の線(阪神高速16号大阪港線)の南側、磯路三丁目エリアの桜通りが残っていますが、北側エリアの弁天地域の桜は先だって伐採されたようです。

港通り側には「磯路三丁目桜通り」の看板がありました。

阪神高速北側(ドンキホーテ側)には桜は見当たりません。

磯路三丁目桜通りの桂音会のホームページ

弁天地域の住民が植えたところから始まった桜通り

弁天地域の沿道にお住まいの方が、自宅前の歩道に桜を昭和38年に1本、42年に2本を植えられたことから始まりました。

当時、市では桜については「亜硫酸ガスなど都市公害に弱く、病害虫もつきやすい」「枝が横にはり交通の障害になる」などの理由から難色を示しましたが、「費用を町内会が負担し、その後の管理や手入れにも責任をもつ」という条件のもと、地元有志による「愛桜会」が約80戸から60万円の寄付を集め、さらにソメイヨシノサトザクラ計約110本を昭和43年に植えられ、桜通りがスタートしたと言われています。

桜がきれいだけでは済まされない、桜の木の寿命と倒木のリスク

桜の木の一般的な寿命は60年なんだとか。桜通りの木々はアラフィフからアラ還に向かっていろいろな問題点が指摘されています。

植樹から50年以上が経過するなか、様々な問題が起きています。成長した桜の木の根が歩道の舗装を押し上げ、歩行の通行に支障が生じているほか、枝葉の伸長が著しいため手入れが追い付かず、歩行者や自転車、自動車の通行を直接的に阻害する、信号や標識を覆い隠し、視認性を低下させてしまっているなど、道路の安全性に問題が生じています。

実際に平成30年の大阪市を直撃した台風で倒木した桜もあったそうです。また、上の引用部分にもあるように樹齢50年を超える木は根を大きく張るため、に歩道の舗装を持ち上げてきます。高齢者の多いこの地域の歩道にしては大変歩きにくい状態になっていました。

高齢会による倒木のリスク、枝や枝が張ることにより車や歩行者の邪魔になること、撤去することになったようです。

桜通りの撤去のスケジュール

本市の工事において、令和5年度はより緊急度の高い危険木(現存の半分程度)を、令和6年度夏頃には残りを撤去することとしました。

昨年は伐採前でもっと艶やかな雰囲気でしたが、今年は半減しているので、圧倒される迫力は無かったですが、きれいなことに間違いは無いです。

降段歩道から撮影。車の邪魔はしていませんよ。

奥にある学校の敷地内に植えられた桜と桜通りの桜が重なったとことろ。奥側の学校の桜は残るのでしょう。

「永い間楽しませてくれてありがとう、感謝!!」の看板が、新参者にも涙を誘います。50年前に桜を自分たちの出資で立てた人たちの多くは亡くなっているでしょう。その子供世代の成長とともに育ってきた桜が来年はないのです。

建物に干渉する桜の記事。この通り沿いの住民から、毛虫などの虫害が多かったと聞きました。そらそうだ。

歩道をおしえげていた桜の多くは昨年に伐採されました。これは根っこの押し上げがましな部類に入ります。昨年通ったときは、根の張った木だとこれの3倍ほど盛り上がっていました。高齢者にはきついです。

葉っぱが出てきた頃も楽しめます。

黒いアスファルトで舗装されたところは伐採済みの場所です。この間隔で桜が植わっていたのですから、満開時には見事と言うほかありません。

最後に、2023年の満開を迎えたフル装備の磯路三丁目桜通りです。この風景はもう二度と見ることは出来ません。

まとめ

美しいモノ、よいモノでも最後に終わりを迎えます。よいモノはしっかり体感して目に焼き付ける。そして記録を取ることで頭に植え付けて、その瞬間の思考と感情を残しておこうと思いました。