南海トラフ大地震の対策として、軽くてそこそこ大容量のモバイル充電器を買いました。
いろんな種類のモバイル充電器がありますが、PD(Power Delivery)と書かれているのがよいと聞いたことがありますので、購入の際の知識として必要なPDの規格についてまとめて、その後、モバイルバッテリーの選び方について考えてみたいと思います。
実家で農作業するときには、モバイルバッテリーで駆動する空調服を持って行くのですが、モバイルバッテリーを忘れてきました。熱中症と地震・津波対策の両面からモバイルバッテリーは必要です。よいきっかけなので買い増すことにしました。
実家近くのホームセンターで選んだバッテリーがこちら。
10,000mah/20W/PD対応です。
Amazonで2,400円で販売されていたものが、近所のホームセンターで1,480円で販売していたので、即決しました。
USB PD(Power Delivery)とは?
USB PD(Power Delivery)は、USB Type-Cポートを利用してデバイスに高速で電力を供給するための規格です。この規格により、従来のUSB充電よりも大幅に速い充電が可能となり、スマートフォンやタブレット、ノートPCなど、さまざまなデバイスを効率的に充電できます。
USB PDの特徴
- 高速充電: USB PDは最大240Wまでの電力供給が可能で、従来のUSB規格では対応できない大容量のデバイスも充電できます。
- 柔軟な電力供給: デバイスに応じて最適な電圧と電流を自動で調整し、効率的かつ安全に充電を行えます。
- 双方向給電: 一部のデバイスでは、USB PD対応ケーブルを使って他のデバイスに電力を供給することも可能です。
USB PDの歴史
年 | 規格 | 最大出力 | 主な特徴 |
---|---|---|---|
2012 | USB PD 1.0 | 100W | 初版。最大100W(20V、5A)の電力供給が可能 |
2014 | USB PD 2.0 | 100W | Type-C対応。複数のパワープロファイルをサポート |
2015 | USB PD 3.0 | 100W | PPS機能(Programmable Power Supply)を追加 |
2016 | USB PD 3.1 | 240W | 最大240Wに引き上げ |
2020 | USB PD 3.1 (Revision 2.0) | 240W | Revision 2.0、PPS機能の標準化 |
2021 | USB PD 3.1 (Revision 2.0) | 240W | 今後の新機能が期待される |
2022 | USB PD 3.1 (Revision 3.0) | 240W | 最新仕様 |
USB PD規格は、2012年にUSB-IF(USB Implementers Forum)によって初めて発表されました。初期のバージョンでは、最大10W(5V/2A)程度の電力供給が可能でしたが、その後の改良を経て、2014年にUSB PD 2.0が登場し、最大100W(20V/5A)の電力供給が可能になりました。さらに、2021年にはUSB PD 3.1が発表され、これにより最大240Wの電力供給が可能になりました。
USB PDの普及とモバイルバッテリー選び
USB PDは、特にスマートフォンやノートPCの充電規格として広く採用されています。AppleのiPhoneシリーズ(iPhone 8以降)や多くのAndroidデバイス、さらにはノートPCやゲーム機など、多くの最新デバイスがUSB PDに対応しています。これにより、1本のケーブルで複数のデバイスを効率的に充電できる利便性が高まっています。
USB PD対応モバイルバッテリーを選ぶ際のポイントをまとめてみました。
モバイルバッテリー購入の際に考慮すべきポイント
ポイント | 説明 |
---|---|
容量の選択 | スマートフォン1回分の充電であれば5,000mAh程度、タブレットやノートPC用には10,000mAh以上が推奨。 |
出力ポートの数とタイプ | 複数デバイスを同時に充電する場合は出力ポートが2つ以上、USB-AとUSB-Cポートの組み合わせが便利。 |
出力対応 | スマートフォンには18W以上、ノートPCには45W以上の出力が目安。USB PD対応であれば最大100Wまで可能。 |
サイズと重量 | 容量が大きいほどサイズと重量が増加するため、持ち運びやすさを考慮。日常使いにはコンパクトなタイプが便利。 |
安全機能 | 過充電防止、過熱保護、過放電防止機能があると安心。バッテリーとデバイスの寿命を延ばすことができる。 |
充電時間 | モバイルバッテリー自体の充電時間が短いものが便利。USB PD対応なら高速充電が可能。 |
価格とブランド | 信頼できるブランドの製品を選ぶことで、長期的な信頼性と安全性を確保。保証とサポートがあるものが望ましい。 |
その他の機能 | LEDインジケーターで残量確認が可能。アウトドア用途では防水・防塵機能があると便利。 |
充電用途と使用シーン | スマートフォン用には5,000mAh〜10,000mAh、タブレットやノートPC用には20,000mAh以上を検討。 |
まとめ
USB PDは、2012年に登場したUSB充電規格で、特にここ数年で急速に普及しています。高速充電や多様なデバイス対応、双方向給電といったメリットから、現代のデバイスに不可欠な充電規格となっています。USB PD対応のモバイルバッテリーを選ぶ際には、容量や出力対応、安全機能などを考慮して、最適なものを選びましょう。今後も、さらなる進化が期待されるUSB PDを活用して、充電の効率化を図りましょう。