
YouTubeのおすすめ動画に興味深い動画が出てきました。
2019年に英国庶民院議会で当時のジョンソン首相が演説中に野党のヤジがひどくなったとき、議長がヤジを諌める言葉をまとめた動画です。
一部の議員の放つ騒音のせいで、有権者がその内容が聞けないのは納得がいきません。
議長はジョン・バーコー。
実際のヤジを諌める発言がこちら、
Order! I apologize for interrupting the Prime Minister.
静粛に! 首相(の発言)を遮って申し訳ありません。

There's far too much noise in this chamber.
この議場はあまりにも騒がしすぎます。
And order, and far too many members who think it's all right for them to shout out their opinion at the Prime Minister.
静粛に! そして、あまりにも多くの議員が、首相に向かって自分の意見を(野次として)叫ぶことが許されると考えているようです。

Well, let's be clear, it isn't. The statement will be heard, and there will be ample opportunity, in conformity with convention and as established by me over the last decade, for colleagues to question the Prime Minister.
はっきりさせておきますが、それは許されません。所信表明演説は(静かに)聞かれなければなりません。そして、慣例に従い、また私がこの10年間で確立したように、同僚議員たちが首相に質問する機会は十分に設けられます。

But the statement will be heard, and it will be heard with courtesy. The Prime Minister.
しかし、声明は聞かれなければなりません。しかも、礼儀正しく聞かれなければならないのです。首相、どうぞ。
動画ではこの後、野党党首の演説へのヤジにも議長の仲裁が入ります。ヤジが大きい議員には名指しで、落ち着くように声をかけます。白熱する議論に対して公平な立場で介入します。
バーコー議員を見ると、まるでサッカーやラグビーの試合中にゲームをコントロールするために選手に話しかけるレフリーのようです。
日本の議会の委員会等をみても議長は呼び出し係のように、「〇〇委員会を始めます」「〇〇君」ぐらいしか発言をしていない印象しかありませんが、本当のところはどうなんでしょうか。
不規則発言議員を非難することより、議長が名誉職ではなく、議会をコントロールする権限を持たせる方が建設的だなぁと思った今日この頃です。