遠藤周作の小説「反逆」を読みました。本能寺の変に至るまで、そして秀吉が天下を取る過程を描いた歴史小説です。1989年出版の小説です。いつものようにKindleで読みました。
恥ずかしながら、遠藤周作の作品を読むのは初めてで、かつ戦国時代の荒木村重という武将をつい最近まで知りませんでした。
若い頃から何度かというか何度も歴史シミュレーションゲーム「信長の野望」をプレイしたことがありますので、荒木村重を見た事がないはずがないのですが、印象に残らないパラメーターの武将だったのかもしれません。
戦国時代ならではの下剋上で摂津国を支配した荒木村重。摂津といえは高槻・茨木の大阪北部と大阪市、尼崎から神戸までのエリアを指します。
先日JR伊丹駅を降りた時に町並みがきれいで感心していたら、有岡城という城の跡地だった事で、その城の主についていつか調べようと思っていたら、「反逆」にたどり着きました。
作者、遠藤周作も神戸にゆかりのある方でした。
個人的な話になるが私は少年時代を阪神で送った。中学は灘で住吉川のほとりにあった。もしこの「荒木村重伝」に書かれていることが本当ならば、私は晩年の村重が茶料として秀吉に与えられた場所を毎日、通っていたことになる。 — location: [4363] 遠藤周作、反逆(下)
小説「反逆」は、信長の、そして戦国時代の残虐性を再認識させる小説でした。
歴史小説は書かれた時代によって、人物の評価がなり異なります。また、古文書の発見によって事象の解釈が大きく異なることもあります。
たとえば、比叡山延暦寺の焼き討ち(1751年)は、人骨等が見つかっていないなどの報告もあるそうで、そこまでひどくなかったという新しい解釈もあるそうです。
ただ、荒木村重の謀反に対する信長の一族郎党皆殺し(1759年)は、凄惨の一言につきます。
物語は荒木村重の台頭から謀反、本能寺の変を経て、賤ヶ岳の戦いの秀吉軍の勝利までが描かれます。多くの血が流れます。
信長が残虐なのか、いやホモサピエンスという存在がが残虐なのか。残虐だったからこそ、生き残ってきた結果がこの世の中なんだなぁ、とまとまらない読後感想になってしまいました。
荒木村重、摂津国などは地元の話なので今後も深入りして行きたいと思います。
ちなみに先日首をはねられる夢を見たのは、この小説を読んでいる最中のことでした。