読書は非常に個人的な行為だと思っている。
読書中に、横に座った知らない人から「ここの言い回し、よくない?」とか「ここは後半に繋がってくるから覚えといてねっ!」なんて言われたら、かなり気分を害されるでしょう。
読書は想像力を掻き立てて、集中して作品の中に入り込むから面白いのであって、気軽に邪魔をしてほしくないのだ。もう一度言う。読書は非常に個人的な行為だと思っている。
第一、見ず知らずのあなたと私の感性が同じ訳がないし、今あなたの意見は聞いていないのである。
そんな、おせっかいな行為をKindleが平気でしてくるのです。ポピュラー・ハイライトという機能です。無粋な邪魔をさせない設定をしておこうと思います。
Kindleのポピュラー・ハイライト機能は無粋な機能である
Kindle上で、気になる言葉や文には線を引くことができます。「ここ大事」とか「この言い回しが好き」など、自分の気になったところを蛍光ペンで文をなぞる感じです。これをハイライトと言います。
そしてまた舞台に立って演技をする。照明を浴び、決められた台詞を口にする。拍手を受け、幕が下がる。いったん自己を離れ、また自己に戻る。しかし戻ったところは正確には前と同じ場所ではない。 - ドライブ・マイ・カー(村上春樹)
ハイライトはkindleの中だけで表示するのではなく、Amazonにその情報が吸い上げられて保管されています。みんなががつけたハイライトの中で、人気なものをKindle端末に表示するのがポピュラー・ハイライト機能です。
305人がハイライト------------、と書かれた文についつい目が行ってしまいます。ここは大事なところと書かれている訳です。
もし、図書館で借りた小説に無数の線が引かれていたら、読む気を失せる方は多いのではないでしょうか。知らない人の入れ知恵を無理矢理持たされて、読み進めるのはつらいものがあります。できれば真っさらの本で、先入観を持たずに読みたいものです。
ポピュラー・ハイライトのよいところ
もちろん、ポピュラー・ハイライトにもいいところはあります。
作品を読み終えてから、余韻に浸りながら振り返る時にポピュラー・ハイライトを使うのはいいかもしれません。他人の視点から作品を眺めてみる行為は、作品をより立体的に見ることができるように思います。
自分のハイライトした部分と他人のそれとの違いを確認するのは楽しい作業です。私の場合人とは違うところをハイライトしているので、私の認知がユニークであることが確認できます。
Kindleのポピュラー・ハイライトを消す方法
書籍画面から設定を変更します。
- 書籍画面の上の方をタップする
- [Aa]マークをタップ
- [その他]タブの[ポピュラー・ハイライト]をオフにする
この設定はすべての書籍に適応されます。違う書籍でポピュラー・ハイライトをオンにした場合、また要らぬものが表示されてしまいますのでお気をつけください。
読書中に聴きたい音楽プレイリスト
移動の電車で読書中、お気に入りのピアノのBGMです。