大阪市内は上町台地を除けばほぼ平坦な地形なので、市内の移動は自転車で移動するのが一番早かったりします。
事務所はオフィス街の外れにあるのですが、自転車置き場はいつも満杯で、駐輪している自転車がちょくちょく歩道に飛び出ています。
2~3年前のことです。私の事務所があるビルの前に駐輪している自転車に、何度も突進している婦人を見かけました。白い杖、白杖(はくじよう)を持った、目の不自由な方です。
白状の老婦人が向かう先、今私が歩いている隣のマンションの前にも数台自転車が停まっていたので、おそらくそこにも突進していくことでしょう。
そういう場面ではかける言葉が見つからないことが多く、普段は見守るのみでした。その時はその方との距離があまりにも近く、自転車がありぶつかるのはあきらか。とっさに声がてました。
「今日は自転車が多いですねぇー」
それをきっかけに少し話が出来ました。目的地は事務所からすぐ近くのビルがだったので、ビルの前までエスコートできました。
それ以降、その老婦人を2~3ヶ月に一度ほど事務所の前でお見かけしてます。そのたびに放置自転車がないか、歩いている先を見てしまいます。当夫人にとっては迷惑な話でしょうが、私にとって、その方は近所の顔なじみのおばちゃんに格上げされました。
自転車を乗る人、歩行者、車の人、車椅子の人、白杖の人、それぞれの都合があります。歩道の前に看板を出しているお店の人も都合があります。
ただ、秩序のない放置自転車や、歩道いっぱいに出している店の看板は、視覚に障害のある方には障害物になっています。
小さな村社会ではいざしらず、都市部では人が多すぎてみんなのことを考えて生活するのはほぼ不可能。自分の生活のために行動しますから、自転車ははみだすし、看板は白線まで出ます。
職員が電動車椅子を持ち上げるのを義務化するような、100%のユニバーサルアクセスの達成を目指すのはやり過ぎ感はありますが、みんなが歩きやすい秩序のある歩道はどうやったら出来るんでしょうね。