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フリーランスの備忘録、アウトプットの実験場

同級生

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事務所の火災保険の切り替えで、保険を扱っている高校時代の同級生にお願いした。

付き合いは長いが、決して深い仲ではない。高校時代は部活のレギュラー同士で、全国大会にも出た。ただポジションも違い、帰り道も真逆。

加えて、私は生粋の口下手で人見知りだ。正直、腹を割って話した記憶はほとんどない。

そんな彼と、久しぶりに腰を据えて話した。

会うきっかけは、事務所の火災保険だった。

以前入っていた保険が、大家指定の少額保険で、サービス終了により自動解約になった。管理会社から特に連絡もなく、さてどうしようかと思ったとき、ふと彼の顔が浮かんだ。

年末にたまたま会った際に相談すると、快く引き受けてくれた。

持ってきてくれたプランは、これまでの半額ほど。

高価な設備はなく、水害のリスクもほぼない立地。事務所仕様で水回りもない。余分な補償を削ぎ落とした、実に現実的な提案だった。ありがたい。

保険の話が一段落したあと、自然と近況の話になった。

彼は、コロナ明けまで一匹狼の代理店をやっていたが、今は別の会社に移っているという。その頃はかなり苦しかったらしい。

私は、家族のてんかんや、がんの転移の話をした。

普通なら、ここで空気が重くなる。

でも今回は違った。私にしては珍しく、腹を割って話した。

話題は、副業の話になった。

治療費がかさみ、太客が離れて至ったときに、試しにタイミーをやってみた話をすると、彼もかつてタイミーをやっていたと言う。誰にも話したことがなかったらしい。本業がうまくいかないときの日銭稼ぎは、格好いい話ではない。

私も昔なら、絶対に口にしなかったと思う。

本業の不振は、自分の無能さの証明だと思っていたからだ。

でも今は違う。

若くもないし、そんなちっぽけなプライドはもう要らない。腹が据われば、しょうもないプライドなんて屁の突っ張りにもならない。

タイミー経験比べで、冷凍倉庫でどちらがより低温に耐えたか、いかにきついところで働いたか、そんなくだらない自慢話で盛り上がった。

一瞬、学生時代に戻ったような感覚だった。彼も、少し肩の力が抜けたように見えた。

彼も私も、大きな企業の中で自分を殺して生きる道を選べなかった。

彼と別れて、次の訪問先に向かったとき、妙に足取りが軽かった。

たぶん、少しだけ楽になったのだと思う。