先日、うちの中学生の子供が「けいれん発作」をおこしまして、救急車と救急外来のお世話になりました。 今は落ち着いて普段通りの生活を送っていますので、安心しています。
呼びかけにも応じない「意識消失をともなったけいれん」でした。白を目を向き、身体をピンと伸ばして、ガタガタ震えて名前を呼んでも反応がない。明らかにおかしい子供の姿を見た時に、初めてのことでしたので、私も妻もかなりのパニックに陥りました。
記憶が鮮明に残っている間に振り返りと、次回はこうしようといういうのを書き残したいと思います。
- 何はなくとも「119」に電話
- けいれんは数分から5分でおさまる
- ABCD評価
- 舌を噛まないような対策は不要
- 救急車の到着まで
- けいれんの様子を伝えるには動画撮影は有効
- 救急車で症状の確認
- 救急病院へ
- 日本の医療システムの素晴らしさ
- まとめ
何はなくとも「119」に電話
誰かに話すと落ち着くきっかけが出来ます。ためらわずに119に電話するべきです。
「火事ですか、救急ですか?」
「誰が、どうされましたか」
「意識はありますか」
「性別は?年齢は?」
「住所は?連絡先は?」
「このような症状は初めてですか?」
上記の質問を、こちらのペースに合わせて聞いていただいたので、答えているうちに比較的落ち着いてきます。
けいれんは数分から5分でおさまる
病院から戻ってから調べたことですが、けいれんの多くは5分以内でおさまるとのことです。うちのこの場合も6分ぐらいで収まりました。
「けいれん」を発症する原因・対処法はご存知ですか?医師が監修! 症状の原因・病気一覧・診療科 - メディカルドック
痙攣、失神…てんかんの発作時に慌てずに対処する方法【医師が解説】 – 転ばぬ先の杖
15分程度続く場合もあるそうです。そんな場合は周りも心配になるでしょうから、119番に電話できると落ち着けると思います。ただ119番の人はドクターではないと思うので、多くを望むのは禁物ですが、非常に頼りになりました。
ABCD評価
医療現場ではABCD評価が行われているそうです。
- Airway:横向け寝にして気道を確保する
- Breathing:呼吸をしてるか確認する
- Circulation:脈があるか、血中酸素飽和度が正常か確認する
- Disability:意識があるか確認する
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息をしやすい姿勢、顎を少し上げた横向け寝にして、呼吸をしているか、脈があるかを、問いかけに反応するかを確認を行えると、119番の方の問いかけに答えるのもスムーズになります。
うちの場合は最初は仰向けだったので、ツバが気管に入ったようで、呼吸に伴いズルズルとした音がしていたので横向けにして、気道を確保しました。
酸素飽和度は一般家庭にはないので、脈があるかどうかの確認はしたいところですが、忘れていました。
意識は最初はなかったのですが、けいれんが終わってから2〜3分で戻ってきました。ただ問いかけに対してうなずくのみで、自分の名前が言えるまではもう少しかかりました。
舌を噛まないような対策は不要
大昔に、けいれん時は舌を噛まないようにタオルを噛ませると教えてもらった記憶がありますが、ドクターによると現在は不要とのことです。 けいれん中の顎を無理矢理こじ開けるのは、ほぼ不可能です。私も噛まれて内出血しましたし、妻は流血し、子供は舌の端っこを噛んで口内炎になりつつあります。
お互い怪我をしないようにタオルや箸を噛ませるようなことは、不要なのかもしれません。
救急車の到着まで
119番に電話してから、10分程度で救急車が到着しました。来てくれるまではかなり長く感じましたが、冷静に考えると最寄りの消防署から最短で来てくれています。
これが真夏の熱中症シーズンでしたら、もっと長い間不安な時間を過ごしていたでしょうから、不幸中の幸いだったと思います。
119番の担当者も救急車が到着するまで、いろいろ声掛けしてくれました。その頃には子供の意識が戻っていたので、かなり落ち着くことができました。
けいれんの様子を伝えるには動画撮影は有効
救急隊の方が来た時に真っ先に仰ったのが、おどくべき言葉でした。
「けいれんしてる時のビデオを撮ってますか?」
妻と私が2人してパニックをおこしている状況で、うまく言葉で説明ができなかったのでしょう。突っ張るけいれんと縮むけいれんがあるそうです。専門家はけいれんの起き方で、問題点を絞り込めるのでしょうね。
次回、このような事態があったらビデオを回したいと思いますが、いきなり回しだすと「こんな時に思い出作りをしている場合か!」と怒る人もいるでしょう。撮影時には「救急隊や救急医の診療補助のための動画撮影」である旨を伝えて取ることが必要かと思います。
救急車で症状の確認
家に救急隊が来てくれた頃には、子供の意識が戻るものの、ぼんやりしていて状況を飲み込めていない状態でした。ただ、立ち上がることができて、支えながら救急車まで歩いて行けたのをみて安心しました。脳血管の障害があれば、立つこと、歩くことができないからです。
ふらつきながら歩く姿を見て、私も妻もかなり落ち着きを取り戻せたと思います。
救急車が来ても、すぐに病院に向けて出発するわけではありません。救命士の方が状況を見て必要な医療設備のある病院に連絡して、搬送先を決めてくれます。
今回救急車には妻が同乗し、私が車で追いかける役割だったので、車内の詳しい内容はわかりません。救急車の外で待つこと10分、症状は落ち着いてきたけど、念のため脳外科の当直医がいる病院に搬送していただけることになりました。
救急病院へ
日付が変わる少し前に10km離れた救急病院に搬送されました。
救急車の到着から少し遅れた私の姿をみて、子供も笑顔をみせるようになっていたので、回復を実感しました。
CTを撮影し、脳の異常が認められないこと、熱性けいれんの既往もなく初発であることから、てんかんの可能性も少ないこと、ドクターから説明を受けました。
けいれん予防の筋弛緩剤的な点滴を受けて、その夜のうちに帰ることができました。
日本の医療システムの素晴らしさ
119番の電話相談、救急隊による搬送、救急病院での診断と処置を含めて、支払った金額は数百円でした。
市町村の小児医療助成込みの値段ですが、この国や都道府県や市町村は、非常に手厚い医療助成システムを構築していることに、使ってみて実感しました。まあ、健康保険料は十分高いんですけどね。
まとめ
これまで貧血で倒れた人は何度か見たことはありますが、意識障害をともなう全身のけいれん発作は我が子で初めてみて、その姿に衝撃を受けました。
遺伝性はない症状で100人に1人程度の割合でおこるそうなので、これまでに遭遇しなかったのはたまたまだったのでしょう。
もし町中でけいれんした人を見かけたら、発症時の動画を撮影して、ABCDを観察しながら119番に電話してあげようと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。